こんにちは。
昨日までの大雨がウソのように爽やかな晴れの熊本でございます。

強い雨の降る中、昨日はつくば市にある国立環境研究所にお伺いしました。


一般の生活者が国立環境研究所に行く機会はなかなかありませんので、簡単に説明しておきます。
「国立環境研究所」は、地球環境の保全・公害の防止・自然環境の保護および整備等に関する調査研究を行なう独立行政法人です。
1974年に環境庁（国）の付属機関の国立公害研究所として筑波研究学園都市につくられました。1990年には国立環境研究所と名称を変更され、2001年4月には独立行政法人となりました。環境の状況の把握，人的活動が環境に及ぼす影響，人的活動による環境の変化が人の健康に及ぼす影響，環境負荷を軽減するための方策に関する調査研究などを行い、情報発信に努めていらっしゃいます。

元々国の機関として発足しただけに、研究所の敷地面積はとーっても広大で、一番奥の研究棟まで行くのに何分も歩かなければならない程…

今回はあいにくの激しい雨模様で、荷物をぬらさないように気を付けながら、何とか先生がいらっしゃる地球温暖化研究棟まで歩いていきます。

中島先生がいらっしゃる地球温暖化研究棟に入ると、研究所内で取り組まれていることをまとめた
沢山のパネルが展示されています。

紫外線についての情報と、今後温暖化が進むとどうなるのか、
多くの先生方がご自身の専門の研究から推測されて執筆された資料の中には、
以前ネイチャーでも取材をさせていただいた小野先生や五箇先生が書かれたものもありました！

中島先生は若い頃に南極の「昭和基地」に行かれ、ご自身でオゾンホールを観測されたり
紫外線について研究をされていらっしゃいます。

今回私たちがお伺いしたのは、その研究の1つである「紫外線とビタミンDの生成について」の
発表を目にしたからでした。
そもそもビタミンというものは、身体の外から食物を通じて体内に取り入れるしか
方法がありませんが、唯一このビタミンDだけは日光（紫外線）に当たることで
身体の中でつくられます。

このビタミンDは主に、カルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の健康を保つのに働いています。

しかし紫外線が肌に与える影響が生活者の中に浸透し「紫外線は浴びてはいけない！絶対防がなきゃ！」と、
みんなが1年中朝から晩までしっかり防ぐようになった結果…ビタミンDが慢性的に不足してしまっていることが分かったんです。
特に女子大生ぐらいの若い子たちは、母親の世代にもある程度紫外線対策の知識があり、
自分たち自身も防ぐものという意識があるため紫外線を防ぎすぎてしまい、
本来最低必要なほんの少しの紫外線さえ浴びないので、骨が大変なことになっている！？とのこと…

紫外線はこうした大切な役割がある一方、肌に蓄積するとシミやシワの原因になることは
皆さんご存知の通りですね。

でも、骨は丈夫で健康にしたい、できれば肌には悩みを創りたくない！

そこでこのビタミンDですが、実は食物からもちゃんと摂取することができます。
ビタミンDはお魚や「天日干しした」きのこ類に多く含まれています。
※ちなみに天日干し限定なのは、人間の肌と同じで、きのこも日焼けをするからですよ～♪

中島先生は、ビタミンD生成と肌への影響、相反する2つの考えのバランスをうまくとることが出来る方法を研究され、場所や季節・時間で、紫外線を浴びた方がいい時間（分）と、これ以上当たると日焼けする時間（分）の算出方法を確立されました。

そしてその計算式を用いて、全国10箇所の測定地点でのビタミンDが1日に必要な分生成される時間と
日焼けで赤くなり始める時間をグラフと表にまとめてあります。
そのデータは国立環境研究所様のホームページでも公開され、30分毎に更新されているので
気になる方は是非見てみてくださいね！！

●国立環境研究所様の紫外線情報ページは⇒こちら

また、このページはスマートフォンからさらに見やすいサイトもつくられていますので、
スマホやタブレットをお持ちの方は、そちらもご覧ください♪

●紫外線情報のページ（スマホ）⇒こちら